さて、本日はちょっと基本に立ち返り、ロングノーズプライヤーの選び方をご紹介させて頂きます。

ロングノーズプライヤー、ニードルノーズプライヤーなど、様々な呼び方がありますが、先端が細長くなっているプライヤーで、配線作業やワイヤーを引っ張る作業、細かいパーツ類を掴んだりと、様々な場面で活躍する基本工具の1つです。

まず、注目すべきは カッターの有無です。

可動部の根本付近にカッターが備えられているものと無いものがありますが、よくありがちなのが、使うかどうかは分からないけど「多機能な方がお得」として、カッター付きを選択する事です。

しかし、カッターの有無は、もっと重要な違いを内包しているのです。

、、、それは、どこで一番精度が高くなるか、という事です。

カッターは合わせがしっかりしていないと切れません。

つまり、カッター付きは、刃が合わさる部分で精度が出る様になっているのです。

同時にそれは、先端部分の合わせが(若干ですが)甘くなる事を意味しています。

対して、カッター無しは、当然先端部の合わせがピッタリ来る様に造られています。

理想は切断作業は別途ニッパーをご用意頂くのが良いのですが、車載用、出張用等の場合は、荷物を出来る限り少なくする必要があり、先端精度が甘くても多機能モデルが求められる場合も多々あります。

精度か、機能か、用途に照らし合わせてチョイスする必要がありますね。

次に先端の掴み面の仕上げです。

人気のプライヤーメーカー、KNIPEXを例に採ると、一般的なモデルでは、カッター付きが横スジ入り、カッター無しが網目スジ入り(クロスカット)となっています。

横スジ入りのモデルは基本的に真っ直ぐ引っ張る用途に、網目スジ入りモデルは捻る動作も含めたオールマイティーな使い方を想定しています。

お次は先端の仕上げです。

金属部分が磨き仕上げかメッキ仕上げかですが、スタンダードとされるのは磨き仕上げの方で、こちらの方が安価です。

只、メッキ仕上げの方が錆び難いメリットがありますので、水に触れる事の多い作業や、オートバイの車載工具として積みっぱなしにする場合などは、メッキモデルが好まれます。
又、よく釣りでご使用される方もいらっしゃいますが、海水や潮風に晒される環境では特に、メッキモデルがおすすめですね。

最も長年の使用でメッキが剥がれてくる可能性もありますので、もし剥がれたメッキが混入してしまうとまずい様な職業の方(例えば食品関連など)は、磨きモデルを選ばれるのが良いと思います。

グリップはメーカーによっても様々でしょうが、KNIPEXで例を挙げるならば、最もスタンダードなプラスチックコーティンググリップと、少しゴツイ印象もあるコンフォートグリップです。

プラスチックコーティンググリップは本体の金属部の上に液体ゴムを付着させ、乾燥させる事で出来るグリップで、耐久性は低いものの、細身で精密作業時には使い易いメリットがあります。

対してコンフォートグリップは本体に別に製造したグリップを圧入して作られるモデルです。
2つの素材を合わせて作られており、ベース部分を頑丈で硬い強化樹脂製、手に直接触れる部分を滑り難いラバー素材としています。
厚みもあり、手の大きささえ合えば力強くしっかりと握る事が出来ます。

グリップの違いについては、好みで選ばれる方が多いので、実際に握ってみてしっくりくる方を選ばれるのが良いと思います。

あとはサイズを選ぶだけ!

KNIPEXの様にプライヤー専門メーカーであれば、ロングノーズプライヤー1つとっても大小様々なサイズを取り揃えていますので、用途、握り易さ、収納スペース等でご選択下さい。

以上が基本的な選択ポイントとなりますが、そのほかにも先端が曲がっているもの、細いもの、幅の広いもの、掴み面がフラットなもの、絶縁モデル、などなど様々なラインナップがございます。

場面によっても求められるものが異なりますので、実際の用途に照らし合わせてご選択頂ければと思います。

本日も最後までご覧頂きありがとうございました。